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佐々木 祐二
分離技術, 52(2), p.103 - 107, 2022/03
高レベル廃液中に含まれるAn, FP元素の溶媒抽出法による相互分離を目指している。Cs, Srはクラウン化合物で、Pd, MoはMIDOA(メチルイミノジオキサオクタンジアミド)、An+Ln回収はDGA化合物で抽出する。その後、An/Ln相互分離はDTBA(ジエチレントリアミン3酢酸2アミド)で、Am/Cm分離はDOODAをマスキング剤として用いる。論文中では一連の技術を紹介し、関連する結果をまとめて報告した。
塚原 剛彦*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎; 佐賀 要*
分離技術, 49(4), p.221 - 225, 2019/04
希少金属(レアメタル)は不可欠な鉱物資源として重要であり、その安定した供給が課題となっている。そのため、使用済み製品からの分離回収・リサイクル技術の開発が盛んにおこなわれている。しかし、既存の方法はコストの問題や廃棄物の発生、処理時の火災爆発の危険性などの問題があり、飛躍的な展開は望めない状況である。そこで、これまでの分離概念にとらわれない方法論の開発が望まれている。温度応答性ポリマー ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)と疎水性抽出剤を応用し、温度変化のみで水溶液中で金属錯体を内包したポリマーゲルの生成と再溶解を可逆的に行うことができる相転移現象の制御が可能であることを見出し、これをレアメタルである希土類元素の分離回収へ適用することを検討した。このユニークな相転移現象を利用した水系抽出法は、有機溶媒や固体吸着材を一切用いず、煩雑な固液分離も行うことなく、適切な抽出剤を投入して38C程度に暖めるだけで、廃液中から金属イオンを直接回収することが可能である。疎水性抽出剤は、分子構造中に親水部位及び疎水部位を有するものであれば特に限定されず、水への溶解性が低くとも構わない。親水・疎水官能基を併せ持つ中性配位子を抽出剤として用いることで、本稿で紹介したREイオンのみならず、白金族元素(パラジウム,ロジウム,ルテニウム等)やアクチノイド元素(ウラン,アメリシウム,キュリウム等)の分離回収にも成功している。抽出から逆抽出までの全工程が水系で完結し、繰り返し利用も可能であるため、環境負荷低減に資する新しい分離法として期待される。
下条 晃司郎
分離技術, 39(4), p.236 - 239, 2009/00
近年、バイオテクノロジーの発展に伴い、生物の機能を利用して、有用な物質を生産する技術が著しい進歩を遂げている。生産された生体分子は、医療・医薬・食品など多岐に渡って利用されており、人類にとって必要不可欠なものとなっている。生産された生体分子を使用するためには、大量の不純物の中に低濃度で存在する目的物を、化学的性質の類似した物質と共存している状態から、生理活性を失うことなく、高効率・高選択・高純度で分離精製を行わなければならない。このように生体分子の精製には高度な分離技術が要求されるが、一般的には、抽出,ろ過,遠心分離,膜分離,クロマトグラフィー,吸着,イオン交換,晶析,電気泳動など幾つもの分離プロセスを経て、目的の生体分子を高純度で得ることが可能となる。本稿では、生体分子の分離精製技術の1つである「抽出」について、抽出剤を利用した液-液溶媒抽出(固相抽出,固-液抽出,ソックスレー抽出などは除く)に焦点を絞り、近年の動向を幾つかの研究例を挙げながら紹介する。
下条 晃司郎
分離技術, 36(4), p.241 - 246, 2006/08
環境調和型溶媒として注目を浴びているイオン液体を用いた溶媒抽出法について、発表者が近年行ってきた研究を総括的に紹介する。大環状包接化合物カリックスアレーンを抽出剤に用いて貴金属である銀イオンの抽出を行った。その結果、従来の有機溶媒を用いた系と比較して大幅に抽出能が向上した。また、大環状化合物クラウンエーテルを抽出剤に用いて、定量的なタンパク質の抽出にも成功した。その結果、タンパク質の立体構造が変化し、水系では観測されないような新機能を持つようになった。
久保 真治; 吉田 光徳; 桜井 誠*; 田中 耕太郎*; 宮下 礼子*
分離技術, 35(3), p.148 - 152, 2005/05
熱化学水素製造法は、複数の化学反応を組合せることによって、直接熱分解に要求される数千度という高温より低い温度レベルの熱エネルギーを用いて、水を分解しようとするものである。近年の燃料電池技術の急速な進展に伴って、原子力エネルギーを熱源とした熱化学水素製造法は、二酸化炭素を排出することなく大量の水素需要に応えることのできる水素製造技術として注目されるようになった。本稿では、熱化学水素製造法の中で有望と考えられているISプロセスについて、プロセスに用いられる分離,液液相分離のモデル化,ヨウ化水素の濃縮分離に関する問題点について述べる。